お久しぶりです、佐藤です。
先日当店の製作実績を眺めていたところ、生地全体が薄く茶味がかったのれんを発見しました。
全面にプリントを施しているのかと思いましたが、製作方法で使用しているインクは黒1色となっており、どうやら生地自体にあらかじめ色が付いているようです。
生地の種類を確認すると、【生成りシャークスキン綿】と書かれていました。
シャークスキン綿はのれん製作の定番生地なのですが、一般的な白色をしていたはずです。
生成り生地とはどういう物なのでしょうか?
当店の営業スタッフに確認してみましたので、ご紹介致します!
生成り生地とは
生成り生地とは、漂白を行っていない天然素材生地の事を指します。
通常の白い生地(晒しと言います)は製造工程で漂白を行っているのですが、生成り生地はこの工程を行っておりません。
そのため素材そのものの色合いが残っており、うっすらと茶・または黄味がかった色となっています。
また、生地をよく見てみると黒い粒のようなものが点在しているのですが、これは原料となった植物の破片が混じっているためです。
生成り生地の価格について
通常の晒し生地と比べると、生成り生地は割高になります。
漂白の手間を省いた分生成り生地の方が安くなるかと思いましたが、生産量が少ない分やや高いお値段でのご提供となります。
そのため、生成り生地でのれんの製作を行う際は全面にプリントを行うデザインでは無く、生地の色味と風合いを生かしたシンプルなデザインでの製作がお薦めです!
生成り生地へのプリント印刷
通常の晒しに比べると滲みやすいため、細かく繊細な線を再現したい場合は注意が必要です。
また、もともと色が付いている生地にインクを重ねるので、ある程度生地色の影響を受けます。淡い色のインクでの印刷をご検討の際は、この点も留意しておいて方が良いかもしれません。
全ての生地で生成りと晒しが選べるのか
のれん製作の定番とされている、シャークスキン綿や天竺木綿、シャンタン綿・麻等、
一般的な自然素材生地の場合はご用意がございます。
特殊な生地の場合は無い場合もございますので、当店スタッフまでご相談下さい。
その他 生成り生地の特徴
生地幅が晒しと異なる
晒しに比べ、生成り生地は生地幅が狭くなっています。
日除けのれん等の大サイズののれんをご製作の際は、縫い目の位置等に気を配る必要がございます。
この点は当店の販促スタッフが最適な仕様をご提案致しますのでご安心下さい!
天然由来なので色味が安定しない
自然由来の素材を使用しているため、生地を製作した時期によって色味が異なります。
当店で製作したのれんを気に入って頂き、同じ仕様で再製作…という場合でも、生成り生地ですと色や風合いに違いが生じます。
以上となります!
特徴的な生地ではありますが、生成り生地ならではのナチュラルな風合いののれんは、来店するお客様にやわらかで温かみのある印象を与えてくれますね。
真新しい新品さというよりは、こなれた雰囲気に仕上がるので、レトロな雰囲気の店舗装飾にもお薦めです。
生成りのれんのオリジナル製作は、是非当店にお任せ下さい!